ツール概要
庁内で保有されているデータを洗い出し、可視化する作業のことをデータの棚卸しといいます。この作業を通じて、庁内の保有データを「庁内データ一覧」としてリストアップし、一覧性のある形で可視化・共有することで、活用されずに埋もれていたデータを活用の検討対象にすることができます。これにより、データ利活用を促進できるだけでなく、必要に応じて加工を施し、オープンデータとして公開するなど、様々な活用が考えられます。本ツールは、データ利活用の第一歩として、データの可視化に取り組む方法を提示します。
利用者・活用シーン
このツールは、データ利活用を進めようとする全ての行政機関等の職員にとって有用です。既にデータ利活用に取り組まれている方にとっては、データの一覧があることで、必要なデータをより簡単に見つけられるようになります。一方、これからデータ利活用に取り組もうとする方にとっては、庁内にどのようなデータがあるのかを把握し、利活用できそうなデータを見つける手助けとなります。また、データを提供する側にとっても、洗い出し作業を行うことで、本来共有できたはずのデータを見落とし、利活用される機会を逸してしまう可能性を下げることができます。
このように、経験の有無に関わらず、データ利活用の第一歩を支援するツールとなっています。
ツールレベル
初級
ツールレベルとは ・初級:特段の事前学習を要さず、本実践ガイドの学習のみで活用可能 ・中級:関連フレームワークについて別途研修等により学習済みであることが前提 ・上級:関連フレームワークをすでに実践済みであること、又は、個別の知識領域に関する高度な知見があることが前提
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前提・留意事項
データの公開レベル分類の考え方を理解し、対象データの公開レベル(一般公開可能なデータ、庁内限定共有データ、部外秘データなど)を把握しておくと、より円滑に調査を実施できます。
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■意義・特徴
データを利活用するためには、まず利活用可能なデータが存在することが前提となります。では、庁内にどのようなデータがあるかを把握できて いるでしょうか。データを利活用するためには、どのようなデータが庁内に存在し、活用できるのかを明確にすることが重要です。そのための第一歩として、データの棚卸しを実施することが有効です。
今回提供するつくば市の調査票は、データ形式、庁内での利用可否、オープンデータ化の予定など、様々な項目が設問として含まれています。中でも、「位置情報を含むかどうか」という設問が設けられている点が特徴的です。これは、GISでの活用を想定し、位置情報を持つデータを円滑に利活用できるようにするための工夫です。
■使い方
(調査の流れ)
調査者が各課に回答を依頼し、各課の担当者が調査票に記入後、提出します。
(1) 調査者:庁内各部門へデータ棚卸調査票(エクセルファイル)を配布します。
(2) 回答者:配布された調査票に直接記入し、提出します。
(3) 調査者:回答結果を1つのシートに集約し、部門ごとのデータ棚卸表を作成します。
(参考時間配分)
1時間~(目安)
(利用する教材)
データ棚卸調査票
■実績・有用性
データの棚卸しを行うことで、庁内のデータを把握し、より効率的な利活用が可能になります。その主な利点は、次の3つです。
① 庁内に存在するデータの把握
庁内には、日頃の業務で直接取り扱っている職員以外には知られていないデータが多く存在する可能性があります。苦労して入手したデータが実は既に庁内に存在していたというケースも少なくありません。あらかじめ庁内にあるデータを網羅的に一覧で把握することで、同じデータを重複して作成する無駄を防ぐことができます。
② 棚卸結果の活用方法
