■ツールレベル ※フレームワーク自体のレベルではありません
初級
■意義・特徴
データを利活用するためには、まず利活用可能なデータが存在することが前提となります。では、庁内にどのようなデータがあるかを把握できているでしょうか。データを利活用するためには、どのようなデータが庁内に存在し、活用できるのかを明確にすることが重要です。そのための第一歩として、データの棚卸しを実施することが有効です。
今回提供するつくば市の調査票は、データ形式、庁内での利用可否、オープンデータ化の予定など、様々な項目が設問として含まれています。中でも、「位置情報を含むかどうか」という設問が設けられている点が特徴的です。これは、GISでの活用を想定し、位置情報を持つデータを円滑に利活用できるようにするための工夫です。
■活用シーン
このツールは、データ利活用を進めようとする全ての行政機関等の職員にとって有用です。既にデータ利活用に取り組まれている方にとっては、データの一覧があることで、必要なデータをより簡単に見つけられるようになります。一方、これからデータ利活用に取り組もうとする方にとっては、庁内にどのようなデータがあるのかを把握し、利活用できそうなデータを見つける手助けとなります。また、データを提供する側にとっても、洗い出し作業を行うことで、本来共有できたはずのデータを見落とし、利活用される機会を逸してしまう可能性を下げることができます。
このように、経験の有無に関わらず、データ利活用の第一歩を支援するツールとなっています。
■前提・留意事項
データの公開レベル分類の 考え方を理解し、対象データの公開レベル(一般公開可能なデータ、庁内限定共有データ、部外秘データなど)を把握しておくと、より円滑に調査を実施できます。
■使い方
(調査の流れ)
調査者が各課に回答を依頼し、各課の担当者が調査票に記入後、提出します。
(1) 調査者:庁内各部門へデータ棚卸調査票(エクセルファイル)を配布します。
(2) 回答者:配布された調査票に直接記入し、提出します。
(3) 調査者:回答結果を1つのシートに集約し、部門ごとのデータ棚卸表を作成します。
(参考時間配分)
1時間~(目安)
(利用する教材)
データ棚卸調査票
■実績・有用性
データの棚卸しを行うことで、庁内のデータを把握し、より効率的な利活用が可能になります。その主な利点は、次の3つです。
① 庁内に存在するデータの把握
庁内には、日頃の業務で直接取り扱っている職員以外には知られていないデータが多く存在する可能性があります。苦労して入手したデータが実は既に庁内に存在していたというケースも少なくありません。あらかじめ庁内にあるデータを網羅的に一覧で把握することで、同じデータを重複して作成する無駄を防ぐことができます。
② 棚卸結果の活用方法
データの棚卸しを行うことで、職員が庁内のデータを活用しやすくなります。また、このデータの一覧をオープンデータとして公開することも有効な取組です。
例えば、「当自治体ではこのようなデータを保有しています」 という一覧を公開し、データの提供可否を明示することで、次のようなメリットが得られます。
データの利用者:事前にデータの名称を把握し、入手可能かどうかを確認できるため、不要な問合せを減らせる。
問合せ対応者:利用者がどのデータを求めているのかが明確になり、問合せ内容のズレが生じにくくなる。
以上により、データを探す手間が削減され、職員の負担軽減につながります。
③ 継続的な調査によるデータ一覧の充実
初めて棚卸しを行う際は、職員が 「どのデータを挙げればよいのか」 迷うことがあるかもしれません。しかし、調査結果を庁内で共有することで、次回以降の調査時には回答の精度が向上し、年々データ一覧が充実していくことが期待されます。
ここで紹介するツールは、つくば市において、少しずつ改善を重ねてきたものです。このツールを用いてデータの棚卸しを継続的に実施することで、より利活用しやすく、効率的に運用できるデータ環境を整えることが可能になります。
■次のステップ
(アドバンス研修・実習)
なし
(参考文献とその概要)
なし
【関連情報】
■関連ケーススタディ
■関連フレームワーク
データ棚卸調査
■関連スキル
データマネジメント
■著作者・連絡先
つくば市 家中賢作
■掲載年月日
2025年3月31日
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