ツール概要
このフレームワークは、公的機関が業務量を把握するために実施する業務量調査のフォーマットと実施要領を提示するとともに、これをカスタマイズする方法をガイドするものです。
業務量調査は多くの公的機関で行われていますが、現場負担が大きくなりがちであることが課題となっています。
本実践ガイドでは、現場になるべく負担をかけずに継続的に調査を実施するための工夫がなされています。
利用者・活用シーン
本ツールは、業務量調査を担当する部署の職員が調査を企画・実施する際に役立つものとなっています。
ツールレベル
中級
ツールレベルとは ・初級:特段の事前学習を要さず、本実践ガイドの学習のみで活用可能 ・中級:関連フレームワークについて別途研修等により学習済みであることが前提 ・上級:関連フレームワークをすでに実践済みであること、又は、個別の知識領域に関する高度な知見があることが前提
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前提・留意事項
本ツールをそのまま使用する場合は特段の予備知識は不要ですが、「業務量調査フォーマット(Excelファイル)」をカスタマイズする場合はExcelの関数を扱うスキルが必要となります。
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■ 意義・特徴
本ツールは、公的機関における業務量調査の進め方とそれを実施する際に使用する実施要領のテンプレート(PowerPointファイル)及び入力フォーマット(Excelファイル)で構成されています。
業務量調査は、どの業務にどれだけの時間がかかっているかを把握し、業務の現状や経年変化を把握するのみならず、業務改善のポイントを検討したり、業務量削減の目標を設定したりするためにも欠かせないプロセスです。
本ツールは、カスタマイズして活用いただくことを前提としたツールになっています。業務量調査を実施する際は、本ツールを基に各公的機関の目的に合わせてカスタマイズいただくことを想定しています。
■ 使い方
後段に添付の「業務量調査フォーマット」および「業務量調査の実施要領(テンプレート&実践用ガイド)」をカスタマイズして各機関独自の業務量調査フォーマットを作成し、業務量調査を実施します。
カス タマイズをする際は、以下の観点を考慮することが重要です。
業務量調査の目的を明確にする
業務量調査を実施する際に最も重要なのは、調査の目的を明確にすることです
これが、実施頻度・実施タイミング・調査票フォーマットなどを設計(カスタマイズ)する際の土台になります
「なぜ業務量調査を実施するのか」「業務量調査を実施することで、何を・どのような状態にしたいのか」について関係者と対話を重ねたうえで、言語化することが重要です
データの活用シーンを明確にする
調査結果(データ)の活用シーンを明確にすることも、業務量調査を設計するうえで重要です
BPRを検討するための調査なのか?財務諸表や行政評価にも用いるためのデータにするのか?あるいは柔軟な人員配置を検討するためのデータにするのか?
活用シーンによって、収集したいデータの詳細度が変わるため、事前に十分に検討しておくことが重要です
スモールスタートで始める
最初から完璧な調査票を設計することは難しいため、まずは小さく始め、改善をしていくアプローチも有効です
たとえば、まずは1部署を対象に業務量調査を試行し、その結果をもとに「業務量調査の目的」や「データの活用シーン」を再検討してもよいでしょう
小さく始め、フィードバックをもとに調査票をアップデートしていくことで、より実効性の高い業務量調査を実現できるようになります
(ダウンロード資料)
ワークシート:業務量調査フォーマット(Excelファイル)
ユーザー向けガイド:業務量調査の実施要領(テンプレート&実践用ガイド)(PowerPointファイル)
■ 実績・有用性
本ツールは、郡山市が2015年度から毎年度実施し、改善を加えてきた業務量調査を他の公的機関でもカスタマイズして活用できるようにしたものです。
特に、実施要領は詳細な内容になっており、実際の実践を通じてしか得られない知見やノウハウが詰まっています。
■ 次のステップ
ふりかえりの方法を学ぶ上では、以下の書籍が参考になります。
アジャイルなチームをつくる ふりかえりガイドブック 始め方・ふりかえりの型・手法・マインドセット(森一樹、翔泳社、2021年)
アジャイルレトロスペクティブズ 強いチームを育てる「ふりかえり」の手引き(エスター・ダービーら、オーム社、2007年)
また、調査フォーマットをより使いやすくしたり、集計したデータを分かりやすいレポートにまとめたりする上では、Excelの関数やグラフ作成、データ分析のスキルが役に立ちます。
著作者・連絡先
作成:米山知宏(株式会社コパイロツト)
協力:福島県郡山市 総務部 行政マネジメント課
掲載年月日
2025年3月31日
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