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ふりかえりを通じてプロジェクトを改善し、ナレッジを残す

プロジェクトにおける「ふりかえり」法<準備中>

編著者:

株式会社コパイロツト 米山知宏

ふりかえり

プロジェクトにおける「ふりかえり」法<準備中>

ツール概要

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本ガイド(「ふりかえり」)では、プロジェクトを進める中で実施すべき「ふりかえり」の考え方と実践方法を紹介します。

 これを参考に関係者間でふりかえりを実施いただくことで、プロジェクトやチームの状況を改善させたり、プロジェクトの経験を未来のために残したりすることが可能となります。

利用者・活用シーン

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ふりかえりの活用シーンは、「プロジェクト推進期間(プロジェクトを進めている途中)」と「プロジェクト終了後」の2つの場面があります。

ふりかえりというと、一般的にはプロジェクトが終わったタイミングで行うものというイメージがありますが、プロジェクトを進める中で行うふりかえりも非常に重要です。

ツールレベル

初級

ツールレベルとは ・初級:特段の事前学習を要さず、本実践ガイドの学習のみで活用可能 ・中級:関連フレームワークについて別途研修等により学習済みであることが前提 ・上級:関連フレームワークをすでに実践済みであること、又は、個別の知識領域に関する高度な知見があることが前提

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前提・留意事項

  • ふりかえりでは、関係者間でじっくり対話をすることが不可欠です

  • そのため、ホワイトボード・付せん・ペンを用意するなどして、対話をしやすい環境を整えることが重要です

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■ 特徴・意義


現代のDXや変革を目指すようなプロジェクトでは、開始時の想定どおりに物事が進むことは少なく、プロジェクトを進めながら状況に応じて軌道修正をしていくことが不可欠となります。

 ふりかえりは、こうした軌道修正のために必須の道具です。プロジェクトの途中でふりかえりを行うことで、プロジェクトやチームの状況をより良くしていくことができます。また、プロジェクトが完了したタイミングでふりかえりを行うことで、次のプロジェクトや未来のプロジェクトに活かせる気づき(ナレッジ)を残すことができます。

現代の複雑なプロジェクトを的確に運営していくためには、こうした取り組みは不可欠です。それは、単に「過去の反省会」ではなく、「今や未来をより良い状態にするための創造的な場」といえます。

 本ガイドでは、こうした「ふりかえり」を効果的に実施するための考え方と実践方法を紹介します。

 

プロジェクトマネジメントの国際的な知識体系の標準であるPMBOKの最新版(第8版、2025年)においても、ふりかえりを実施して、プロジェクトの改善につなげたり、教訓を見出したりすることの重要性が指摘されています。より良いプロジェクトにしていくために、ふりかえりは非常に重要な要素です。

  本ガイドで紹介するふりかえりを実施することにより、以下の効果が期待できます。

  •  プロジェクトを進める中で、問題が起こったり、メンバーがモヤモヤした気持ちを抱えているときに、それを解消したりすることができる

  • プロジェクトで経験した気づき・学びを、次のプロジェクト・未来のプロジェクトのために残すことができる

     

■ 使い方 


ふりかえりは基本的には次の2つの場面で実施されます。

 

  • プロジェクト推進中

    • プロジェクトを進める中で、プロジェクトが難しい状況に直面したり、チームの状況が悪くなったりしたときに実施し、軌道修正につなげる

    • 定例会議の実施に合わせて定期的に実施し、課題や「モヤモヤ」を早期発見する

  • プロジェクト終了後

    • プロジェクトが終了したタイミングで、プロジェクトで経験したことや学び・ナレッジを継承するために実施する

 

ふりかえりの基本的な流れ


ふりかえりの流れは、ふりかえりの手法(YWT法、KPT法等)によって異なりますが、グループワークとして行う場合、どの手法であっても基本的には以下の流れは共通しています。

 

  1. 【個人ワーク】ふりかえりの手法(フォーマット)の各項目(例:KPT法であればKeep・Problem・Try)を記載する(3分〜5分程度)

  2. 【共有】各自がグループ内で記載内容を共有する(1人1分程度)

  3. 【対話】共有した参加者間で感想・質問などをフィードバックしながら、お互いの記載内容についての理解を深める(10分程度)

  4. 【アクション化】次のアクション(改善活動やナレッジ化など)を議論して明確にする(10分程度)

 

ファシリテーター

ふりかえりにはファシリテーター役が必要です。特別なスキルがなくてもふりかえりのファシリテーションを行うことはできますが、参加者が安心して発言できる場を整える対人調整力があるメンバーが担当すると効果的です。チームで輪番制にすることで、ファシリテーション経験を積む場としても活用できます。外部の第三者がファシリテーターを担うことで、より率直な意見が出やすくなるケースもあります。

 

ふりかえりの種類

ふりかえりにはいくつかの手法があり、それぞれ利用場面や目的に差異があります(図1)。

 

  • YWT

    • やったこと・わかったこと・次にやることを整理し、学びと次の行動を明確にするための簡易的なふりかえり

    • 事実ベースで素早く学習サイクルを回すのに向く

  • KPT

    • Keep・Problem を洗い出し、Try を決めることで改善アクションを具体化する手法

    • 日常的な業務改善やチームの継続的改善に適している

  • タイムライン

    • 出来事を時系列で並べ、気づきや意味を共有しながら深く振り返る方法

    • プロジェクト全体の経験を意味づけ、深い学びやナレッジを抽出するのに有効 


図1:ふりかえりの種類とその概要

 

(所要時間)

・毎週のふりかえり:5~15分前後

・プロジェクト途中(フェーズ区切り)のふりかえり:30分~1時間前後

・プロジェクト後のふりかえり:1~2時間前後

 

使い方のコツ・注意点


▼ふりかえりを行う際のスタンス・心持ち:「Present the present.(今を未来にプレゼントする)」

 ふりかえりは、いますぐに、何か役立つものを得られると期待しすぎないことも重要です。未来の自分たちに宝物を渡す感覚で、いまの出来事・感情を記録しておくだけでも価値があることです。目の前の何気ない出来事・感情であっても、後からふりかえれるようにしておくだけで大きな意味・気づきを生み出すことが少なくありません。

したがって、ふりかえりはいま可能な範囲で行うだけで構いません。週次のふりかえりで残すのは一言(付せん1つ)でも良いですし、一言も残せていない週があっても良いです。

 完璧さを求めると続かなくなることが多いので、「付せん1つでも残していこう」という気持ちで実施すると良いでしょう。

 

■ 実績・有用性


(実績)


総務省行政管理局をはじめとする国の機関や自治体における一部のプロジェクトで定常的に実施中


図2:オンラインホワイトボードを活用して実施したふりかえりの例(KPTとYWTを融合したふりかえりスタイル)

  

■ 次のステップ


(アドバンス研修・実習)


特になし

 

(参考文献とその概要)


  • 森一樹『アジャイルなチームをつくる ふりかえりガイドブック 始め方・ふりかえりの型・手法・マインドセット』、翔泳社、2021年

  • Esther Derby、Diana Larsen『アジャイルレトロスペクティブズ 強いチームを育てる「ふりかえり」の手引き』、オーム社、2007年

 

■ 脚注・用語解説


特になし

関連スキル

ファシリテーション

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関連フレームワーク

ふりかえり

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関連研究・事業

本コンテンツは、総務省行政管理局「行政運営の変革に関する調査研究」事業で作成されたコンテンツを、同局の許諾を得て掲載しているものです。

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掲載年月日

2026年3月

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