ツール概要
シナリオグラフは、デザイン思考のプロセスで使われるサービスのアイデア創出の手法です。「誰が」「いつ」「どこで」「何をする」「どんな気持ち」といった要素を組み合わせてシナリオを作成し、新しいサービスのアイデアや解決策を見つけることを目的としています。
利用者・活用シーン
政策・事業立案者
基本計画・事業計画担当者
サービス企画・設計担当者
意思決定者
リサーチ担当者
ツールレベル
中級
ツールレベルとは ・初級:特段の事前学習を要さず、本実践ガイドの学習のみで活用可能 ・中級:関連フレームワークについて別途研修等により学習済みであることが前提 ・上級:関連フレームワークをすでに実践済みであること、又は、個別の知識領域に関する高度な知見があることが前提
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前提・留意事項
特別な前提知識は必要ありません。ユーザー行動の理解やリサーチの結果があるとより効果的ですが、必須ではありません。初めての方でも試してみることで学びながら進めることができます。
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■特徴
シナリオグラフは、サービスのアイデアを得るために「誰が」「いつ」「どこで」「何をする」と いった要素を組み合わせてシナリオを作成し、そこから新しいアイデアを見つけることを目的としています。
特定の状況やシナリオを視覚的に表現し、ランダムな組み合わせから強制的に考えることにより、通常では思いつかないようなサービスのアイデアが生まれます。
シナリオグラフは、ブレインストーミングやマインドマップなどの他のアイデア発想法を補完して、ユーザーの行動に紐づいた、それまで気がつかなかった斬新なアイデアを発想することを可能とします。
公共・行政サービスを新たに企画する際に、テーマが決まっていながら、ニーズの特定やサービスの方向性が定まらないときに、シチュエーションから、サービスのアイデアを考えるのに有効な方法です。
■使い方
グループで実施するのが望ましいですが、一人で考察する場合にも有効なツールです。
「実践用ガイド」に沿って、ワークシート上でさまざまなシチュエーションのシナリオを考えていきます。
その中から、ユーザーが求めるサービスのアイデアや、さらにその解決・実現方法(ソリューション)を見つけていきます。
(ワークの流れ)
1. ケースの記入
「いつ(When)」「どこで(Where)」「誰が(Who)」「何をする(What)」「どんな気持ちで(Feel)」の5つの軸で、それぞれ想定されるケースを記入します。(いつ(When)であれば、朝、昼、毎日、毎月など)
2. シナリオの作成
作成したケースを線で繋いで、シチュエーションのシナリオを考えます。
3. アイデア出し
考えたシナリオと気持ち(解決したい課題や実現したい価値)から、解決する方法、実現する方法を考えます。
4. 項目の追加・入れ替え・アイデアの追加
新たに思いついたケースを追加して書き直し、新たなシナリオを発見して、ユーザーの課題や求めているサービス、その解決・実現(ソリューション)のアイデアを考える作業を繰り返していきます。
(参考時間配分)
ケースの記入 :20分
シナリオの作成 :20分
アイデア出し :30分
項目の追加・入れ替え・アイデアの追加 :20分
(利用教材)
ホワイトボード・マーカー または ワークシート
■実績・有用性
シナリオグラフは、ランダムな組み合わせにより、見落としがちなシチュエーションでのアイデアを生み出せるため、斬新で新しいアイデアを得るのに有効です。
一方で、ユーザー中心の発想を促進するため、ユーザーの具体的な行動や状況に基づくサービスのアイデアを得ることができます。
実績:横浜市「子育て応援サイト・アプリ企画」では、サービスのメニューを考えるのに役立ちました。
■次のステップ
(参考図書)
デザイン思考に関する書籍
システム×デザイン思考で世界を変える 慶應SDM「イノベーションのつくり方」 著者 前野隆司、保井俊之、白坂成功 日経BP社
(アドバンス研修・実習)
研修プログラムへの参加
「システム×デザイン思考」を実践に生かすプロジェクト・デザイン合宿研修
主催:慶應義塾大学システム・デザイン研究科附属SDM研究所マネジメントデザインセンター
お問合せ先:慶應義塾大学学生部大学院SDM担当e-mail:sdm@info.keio.ac.jp
関連スキル
デザイン思考, サービス企画
関連フレームワーク
シナリオグラフ, ブレインストーミング, 親和図法, KJ法, マインドマップ
掲載年月日
2025年3月31日
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